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特集!越谷の技人たち(1)

越谷技博とは

伝統工芸品の職人や店舗経営者、一般市民らがそれぞれの手仕事・特技・趣味を生かした講座を開く、ものづくり中心の体験交流イペントです。

越谷で旧くから伝わる「技」から現代の「技」まで、講座を通して、職人や経営者との交流、その背景にある「人・歴史・まち」など、越谷の魅力や豊かさに気づくきっかけづくりを目指しています。


 

越谷という"まち"の魅力を、「技」で引き上げる”力”のある人のこと。

3つのグループに分けられる。

 

一 伝統工芸の技人は「匠」

二 成熟した技人は「熟」

三 技を伝え始めたばかりの技人は「新」


 

越谷という"まち"の魅力を、「技」で引き上げる”力”のある人のこと。

3つのグループに分けられる。

 


技人紹介

 

藍染めと「水郷越谷」の歴史と今

藍染め創作グループ「ふしぎぽっけ」
岩井とし子/伊知地美和子/細貝和子/中野康子/大熊孝子

越谷が藍染めの一大産地として栄えてきた理由は、2つ。―つ目は、埼玉県が日照時閻・日本一で日照り好む「綿」栽培に適していたこと。二つ目は、越谷が「水郷越谷」と呼ばれ、市内に元荒川、古利根川、新方川、中川、綾瀬川の一級河川が流れていること。この水源は、長年、住人に、水害という弊害を与えながらも、藍染めの染料をすすぐために必要な大量の水を供給してきた。

ふしぎぽっけのメンバーは5人。その1人、中野康子は、まさに越谷藍染の歴史をしる貴重な語り部だ。中野の営んでいた中野形染工場は、一枚の生地に表裏で異なる柄を染める「籠染め(籠付浸染)」という藍染め技法を使う国内最後の「紺屋(染物屋)」だった。(現在、染色は行っていないが、染色で使用していた真鍮製の「籠」を使った「灯籠」を販売している。代表取締役を務める夫の留男は、埼玉県伝統工芸士の称号を持つ。)また、中野の高い技術とデザインにほれ込み、学問のため、中野形染工場の門をたたいた伊地知美知子。中野の妹`細貝和子。その友人の大熊孝子。最後に、代表を務める岩井とし子が作業場と畑を提供し、2019年から、ふしぎぽっけは本格的に活動を始めた。ふしぎぼっけには、大きな目標がある。それは、「藍の染料を、原料から育て、作品を染めるまで、一貫してできるようになること」である。

植物の蓼藍を染料としている工場や体験教室は、数少ない。一般的には、「藍染め」と表記されていても、実際は化学染料を使用している。なぜなら、植物の蓼藍を染料に変えるのは、とても難しい作業だからである。伝統的な藍染め作品が完成するまでには、2つの分野の職人技術が関わる。

藍を植物として、畑で育て、収穫する。そして、乾燥した藍菓を発酵させて、染と呼ばれる染料に変える。もう一つは、「染師」。菜に貝殻の石灰等を混ぜ、複雑な化学変化を起こすことで染料液を作る。布を染めるのには、寵染め、注染、絞り染など、さまざまな技法がある。


現在、ふしぎぼっけは、自家栽培の蓼藍を生のまま使用する生葉染め、藍栞を乾燥させて使用する干し葉染めに成功。
ただし、藍菓の発酵過程が含まれる築の生成は、去年挑戟したが、残念ながら完成には至っていない。生葉染めは、さわやかで透き通るような発色。また、干し葉染めは、少し落ち着いた色味。いずれも、水色で、藍染めのような深みはないが、軽やかな雰囲気で藍染めの新しい魅力と出会うことが出来る。

岩井代表は、「物心ついた時から、作ることが大好きだった」と顔をほころばせる。日々の生活の中で行う家事に喜びを見出し、自分の心が惹きつけられる創作活動に出会うたび`夢中で取り組み、楽しんできた。「失敗しても、できるまで、何度でもやる。どうしたら、できないことができるようになるのかを考えながら、結果を待っている時間はとても楽しい」と、明る<話す。一方、中野は、「手に『技』を持っていても、それで生活して行くことは、本当に難しい。1つのものが出来上がるまでに物語があることを知ってもらい、その価値を理解してくれる人が作品を買ってくれることで、作り手が食べていくことができるようになる。それが、一番の願い」と語る。

 

「この作業場が若い創作作家の拠点となり、育ち、自分たちも含め、1人でも多くの人が好きなことで生活して行くことができるようになること」、それがふしぎぼっけの大きな夢である。

ふしぎぽっけの作業場では、越谷「技」博の開催期間中、ふしぎぼっけ以外の講座も複数開催される。年齢や性別、聴種を超え、「作り出す楽しみ」という共通点で、多くの人が繋がり始めている。越谷の歴史に触れながら、自らの手で作る楽しさ、人と繋がる喜びを感じつつ、新しい風が吹き始める瞬間に立ち会うことができる場所。それがふしぎぼっけの藍染め体験講座である。

藍染めは、染料の状態や天候により、同じものはできません。

それが楽しくて、次は、次こそはと続けてます。

ふしぎぼっけ5人のメンバー。左から伊地知美知子さん、代表の岩井とし子さん、細貝和子さん、 中野隈子さん、大罠孝子さん.藍を裁培する絋谷市鳩森の畑にて。


技博の期間は11月7日(土)〜12月13日(日)
講座のご予約はこちらから

越谷技博公式サイト

https://wazahaku.com/